SLA(第二言語習得研究)とは?
SLAは、Second Language Acquisition の略で、訳すと、「第二言語習得研究」と言われいます。
これは、人が第二言語(例えば英語)を習得するときのメカニズムを科学的に研究した学問です。
よく個人の方で「XXX法」など、ご自身で名前をつけた学習法を打ち出されている方がいますが、
SLAは私がつけた名前ではなく、れっきとした学問の名前です。
1940年代から研究がはじまってきたと言われていますので、歴史としてはまだ浅いのですが、並びとして医学や法学などと同じものです。
内容としては、応用言語学、脳科学、教育学、心理学など様々な観点から研究されたものです。
では、SLAについて、下記の3つにまとめてます↓
① SLAでわかってきていること
② なぜSLAをベースに学ぶと、最速で英語力を上げられるか
③ 日本ではSLAがあまり知られていない理由
① SLAでわかってきていること
学問としての歴史は浅いとしても、世界、日本でたくさんの方が研究されていますので、それはもうたくさんのことがわかってきています。
ほんの一例を挙げると、、、
・学ぶ順番
(読む、聞く、話す、書くはどの順番で学ぶと英語習得に効率的か)
・王道のやり方
(リスニングを伸ばすならこのやり方、リーディングを伸ばすならこのやり方etc)
・年齢の限界はあるか
・日本人が英語が苦手な理由
・英語習得に適正のある人はどんな人か
などなどです。
医学にもたくさんの病気の直し方などの研究結果出てきているように、SLAにもいろんな研究があります。
「それ、なんで学校で教えてくれなかったの?!
」というものがたくさんありました。
② なぜSLAをベースに学ぶと、最速で英語力を上げられるか
英語をずっと勉強しているのに、なかなか英語力が上がらない一番の原因は、、、
「なんとなく、やみくもに勉強しているから」ではないでしょうか?
インターネットで見た、なんとなく良さそうな勉強法を取り入れてみたり、
誰かから言われたことをやってみたり、
無意識に自分の不得意分野を避けてみたり。。
これ全部、過去の私ですが、、
なんとなく試してみた方法が、たまたま合っていた方は英語力を伸ばすことができると思います。
ただ、個人個人の英語力は、それぞれに違います。
単語がわからない、
文法がわからない、
読めるけど聞けない、
英語は聞こえても理解が追いつかない、など様々です。
例えば、インターネットに書いてあった勉強法は、その書いた方が試してうまくいった方法なので、状況が違う方が同じことを試しても、スムーズにはいかない、ということになります。
インターネットに書いてある個人の開発した勉強法は、その方がうまくいったから書いてあります。
同じやり方をやって、うまくいかなかった人の記事を書いたりしないので、
このやり方だと、例えば単語力がない方は英語力が伸びにくい、なんて失敗談を載せてくれることがほとんどありません。
ただ、SLAの場合は、成功体験も失敗体験も両方しっかりデータを取って、研究してくれています。
だから信頼度が全然違うんです。
医学で例えてみると、、
風邪を引いた人がいて、その人はネットを見て、葛根湯が良さそう!ということがわかったとします。
で、飲んだけど効かなかった
、とかそういう感じでしょうか。
葛根湯は風邪の引き始めに効くものだったり、漢方なので体質によっては合わないこともありえます。
ここで、最初から医学に頼ると、症状から対処法を教えてもらったり、ぴったりの風邪薬を出してもらったりで、すぐに回復に向かいます。
英語に関しても同じようなことが言えると思います。
なんとなく良さそうな勉強法から始めてみるのも楽しいと思いますが、
「もういい加減なんとかしたい!」という方はぜひSLAという学問に頼ってみてはいかがでしょうか?
③ 日本ではSLAがあまり知られていない理由
日本では、残念ながらSLAはあまり知られていません。
私は中学から途切れず英語をやってきて、大学くらいから英語の勉強法の勉強をするくらい英語おたくでしたが、
かろうじて聞いたことがあるくらいでした。
中身は全く知りませんでした。
学校で教員をしたことがある方、数名に聞いてみたところ、10人中1人~2人くらいしか中身までは知らないのでは?という回答でした。
日本人がSLAを知らない理由は、簡単に言うと困ってないから、です。
英語がなくても生きていけるので、必死になる必要がない、ということです。
細かくお伝えすると、
昔々の日本で英語が必要になる主な場面は、海外の最新技術や文化を学ぶために書物を「読むこと」だったので、
「正しく訳せること」が最優先でした。
この歴史によって、今の(厳密にいうとちょっと前の)受験英語につながっていきます。
長文を読んで、正しく意味を理解できているか、1文を日本語の語順できれいに訳せるか、
こういうことを問うことが中心になっていきました。
今は少しずつ、英語教育変わってきてますよね。
ただ、まだまだ受験を目的にした英語学習という側面は強いので、
今後はより読んで聞ける能力だけじゃなく、アウトプットまで包括的に見定めたやり化がどんどん浸透していくといいなと思っています。